2013年8月13日火曜日

沼津から浜松までの間

ある親子と居合わせる。
その聞こえてくる会話の中で、実に母親思いの息子がいるもんだと思わせた。
その声変わり前の少しハスキーな声質から、女性の二人旅かと思いきや、一人が「お母さん」と言ったことで、親子であることが分かった。
年齢は、10歳前後で、外から見える景色をやたらと

「昔っぽいね、お母さん」「良い景色だねー、お母さん」
汽笛がなれば、「良い音だねー」
次の乗り換え電車で、指定席を取ったと母親が話せば、
「すごくいいねー、ありがとうお母さん」
二人で席が無く立っていると
「お母さんが大変だね。立っているの大丈夫?」

この場合、昔っぽいはノスタルジーを感じるねというニュアンスであり、この少年はどちらかというとマザコンなのだろう。
もちろん、母親は「席が空いたよ、座りなよ」という息子に、
「やめてよ。あんなに遠いところは別の人が立っているでしょ」
と、恥ずかしさと共に健康な身体であることが見え隠れしている。

静岡駅に着き、彼らは乗り換えて行った。

こうした時間や関係は、変化していくものだけど、
親子の単純で純粋な感情に触れることができた気がした。

こういう、メモ書きに多少の恥じらいがありつつも、
夏旅の一つの思い出として、掲載しておこうっと。